佐伯佐伯

こんにちは。佐伯です。
今回は生命保険にご加入いただく目的について考えていきます。
今や保険の種類は様々。保険が持ち合わせている機能も世のニーズに合わせて変化しています。

あなたは何故、生命保険に加入するのですか?



生命保険に対するイメージはありますか?
死亡した際に保険金がもらえる、入院した際に保険金がもらえるなど、生命保険に加入した事のない、いわゆる生命保険初心者の皆様が持ち合わせているイメージはこのあたりだと思います。


もちろん上記に挙げた内容は誤りではありませんし、これらが生命保険の本質であることに疑いの余地はありません。
ただし、これらだけで生命保険が決まるのであれば、各社が様々な商品を取りそろえている意味がありません。
様々な特約や支払条件、保険料運用の手法により各々性質が異なってくるのです

今回はこのあたりをさらっとお話ししたいと思います。

契約の目的を考えてみる

おおまかには以下2通りの加入目的が挙げられます。

①万が一に備える
②資産を増やす

生命保険は上記2つのどちらかは必ず性質として含めています。
当然双方共に満たしている契約も多々ありますが、私の個人的な意見としては正直中途半端感が否めないので、バッサリどちらかに絞って契約をした方が良いと考えます。

ただし、結婚などによりライフプランを見直す機会も往々にしてあると思います。
その場合には保険の機能だけにフォーカスするわけではありませんので、この限りではありませんが。
よろしければ以下の記事もご覧ください。

結婚したら生命保険に加入するべきか?

1.万が一に備えたい

おそらく生命保険に加入しようと思い立った理由は、これになると思います。
新社会人になって、家族を持って、など転機を迎えた時点で将来に対する保険をご検討されていることでしょう。


入院などの特約について私も各社すべて熟知しているわけではありませんので、ここでは死亡保険金について述べたいと思います。
これは保険の対象者となられる「被保険者」がご逝去された際に、「死亡保険金受取人」に支払うものです。
自分に何かあった際にご家族に残そう、もしくは相続税の兼ね合いでご高齢になってからお子様に残す事を目的とされるケースがこれにあたります。

相続税についてご興味がある方は、以下の記事で例をとって試算していますのでご覧になってくださいね。

知らなきゃ損する相続税!

死亡保険とは生命保険の基礎部分となりますので、おそらく基本保険金額が定められている通常の保険にはすべて兼ね備えられている事と思います。
※特約のみで構成される保険は該当しない場合があります。



ここでのポイントは、「後に残す事を重要視」されているか否かです。



例えば働きに出ている方に万が一の事があると、家族には当面の生活を工面する上でまとまったお金が必要となります。
そのため、掛け金(保険料)に対して戻し率が高い保険を選択する事が大切です。


当たり前のことを言うなと思われる方も多いと思いますが、保険によって割戻率が様々あります。
これは死亡保険を契約の肝としているか否かによるのです。
残したいけど増やしたいなどと複数のニーズを満たそうとすると、どうしても死亡保険金の戻し率が下がってしまうのです。


最たる例は変額個人年金などがこれに当たりますが、保険料が100万円だとすると死亡保険金も100万円、もしくは運用実績次第では下回る事もありえます。


残す事を第一と考えるのならば、他のニーズは別で満たすと割り切り、戻し率が高い保険を1つ選択する事が肝要となります。


また、保険には「掛け捨て」「貯蓄型」が存在しますが、「掛け捨て」の方が同額の保険金でも掛け金が安くあがりますので、支払金に対する戻し率が高くなります。
ただし、お元気で過ごされている場合には「掛け捨て」なので解約された際の返戻金は0ですが、死亡保険としての効果が最大になります。
そのあたりは各々の考え方により様々ですが、もし「万が一」だけをお考えなのであれば、月数千円で済む掛け捨てをご検討される事をオススメします。
また、これに関しても別の機会に詳しく説明しますが保険料の支払方法も「毎月平準払い」が好ましい。
※一部前納、全期前納が可能であればなお良いですが、「一時払い」とは異なりますので間違えないように。


上記については、短期間、かつ少ない掛け金で多く残す事にポイントを置いていますので、ご存命期間が長ければ総額では損失が出る可能性があります。
そのため、今、ないしは近い未来に対して保障を大きくされたい方(お若くてご家族がいらっしゃるなど)にお勧めします。



さて、次に「後にまとまったお金を残す」のではなく死亡保険金を「相続税対策」を主にお考えなのであれば、考え方が異なってきます。
相続税対策とは、保険金受取の際の「生命保険控除」を享受する事を目的としますので、保険料よりも保険金が少ない事は本末転倒です。

生命保険とはお預かりした保険料を元に生命保険会社が運用を行い、会社の利益や費用を差し引き契約者に割り戻すものです。
そのため、お預かりした金額、期間により運用額も多くなるためお返しできる金額が増加します。
以上の事から、保険料は「一時払い」が出来る契約にしましょう。
短期間でご逝去された場合には「平準払い」の方が割戻率は高くなりますが、ご存命期間によらず保険金が保険料を下回る危険性はありませんし、何よりも加入にあたり行っていただく「告知事項」が少ない事が特徴です。
相続をご検討される皆様はご高齢の方が多く、平準払い契約は保険料も高額となり解約返戻金は長期にわたり元本割れしてしまうばかりではなく、ご加入自体お断りしてしまうケースもあるのです。

また、保険の種類は満期保険金がある「養老保険」ではなく「終身保険」を選択しましょう。
満期がある保険は総じて死亡保険金が少なく設定されていることが多いものです。


2.資産を増やしたい

次にご説明するのは、最近ニーズが増加している「資産を増やす」事に生命保険を用いるものです。
ここでのポイントは、ご自身で保険料を支払い、ご自身で保険金を受け取る事です。

受取人が別の方になってしまいますと、納税額の多い贈与税の対象となりますからオススメは致しません。

選択すべき保険種類の考え方は、上記で述べた「相続税対策」と近しいものがありますが、あくまでもご自身で受け取る事を前提としていますから見るべきは死亡保険金ではなく「解約返戻金」「満期保険金」の受取り率になります。


満期の存在する養老保険は一定期間後の保険金が確定していますので、将来の受取額が契約した段階からすぐにわかるのが特徴です。
ただし、皆様もおわかりのように日本の市場状況はさほど好転しておりませんので、10年預けて受取り率が103%程度など、消費税にも満たないのが現状となります。
もちろん銀行にただ預けているよりは高利率なので、リスクをさほど取らずに選択できるのは大きなメリットです。
注意いただきたいのは、契約直後は返戻金が下がってしまいますので、余裕資金で契約し、解約をしない事が前提となります。


さて、リスクを少し取れる方には「変額保険」「外貨建生命保険」も検討してみてください。
変額保険とは、一定期間後の保険金をお約束するものではなく、お預かりした保険料を特別勘定(株や債券、商品指数など)により運用し、
利益が出た場合に契約者に保険金として還元するものです。
そのため、当然損失が出てしまう危険性もありますが、商品によっては10年後には元本保証、元本の9割まで保障など付与されている場合がありますので、ご自身で株やファンドに手を出すよりも安全性が高く、且つ受取り率を高く得られる可能性があるのです。


余談ですが、私の実母が日経平均を運用主体とする外資会社の運用期間10年の変額保険に契約していたのですが、
運用が良かったらしく1000万円が1450万円になり来年受取れる!と喜んでいました。
元本保証は8割、少々危険な商品だったので正直相談してから契約してくれ・・・と思いましたが結果オーライです。
そんなこともあるのが変額保険です。通常の養老保険で10年後145%受取なんてありえませんから。



次に外貨保険です。
これは、国内の利率は低いため利率の高い海外資金をもって運用し受け取り率を高くしようとするものです。
当然為替リスクはありますので円建てで損失が出る事も考えられますが、現時点での利率で考えますと、豪ドルで40歳男性が契約したと考えますと10年後の外貨での受取り率は120%を超過するほどです。
商品によっては市場価格調整を適用していたり、少々複雑な仕様なので、一切全てを保険会社に任せるスタンスの方にはオススメできません。

外貨保険については以下の記事で触れていますので、ご参考にどうぞ。

外貨建保険で注目するポイントは為替だけではない

【前編】明治安田生命の外貨建て終身保険「エブリバディプラス」は”買い”か?

今ご加入いただいている保険がある方は、一度プロに見てもらうのも良いと思います。


さて、今回は少し長くなりましたがここまでにします。



次回は「保険料の支払方法」についてお伝えしていきます。



皆様に幸せな日々がきますように(^^)/



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